
島の教育#3「離島の学校教育を支える教育現場ー上五島編ー」
ご無沙汰してます。Natsukiです。
今回は上五島で児童保育の指導員をされている方にお話を伺いました。
この方は、以前に小学校の教員をされていた経験や塾講師の経験から、現在学童保育の指導員をなさっています。
その方のインタビューを参考に、離島の学校教育を支えている現場の現状についてお伝えできればと思います。
学童保育とは。
まずは、そもそも学童保育とはどんなものなのか?
端的に述べると、「子育て支援をする場」、「子ども達がいたい・行きたいと思う場」、「家庭に関わる場」です。
何かを強制させるわけではなく、子ども達にとっての本当の自由な教育(学校)とも言えるでしょう。
そんな、島の学童保育の現場には現代の学校教育が抱える課題や、(島特有の)自然を生かした子育てが行われていました。
現代の教育課題(学童保育の視点から見て)
現代の教育課題は、世間の考え方が、「教育=学び」だと認識されている点とおっしゃっていました。
教育はあくまで人格の形成を目指すものであって、成績・進路を考えるものではないのです。
学童施設という視点から考えたときにこの問題を解決するために、どんなことが大切なのか?
それは、
「学校現場」、「子ども」、「家庭」、「学校現場以外の教育現場」の連携
なのだそうです。
子供の保育だけでなく、保護者ともつながることが大事。
現在、この連携の上での大きな課題は、学校現場や子育てにおける保護者の方の悩みや不満を共有する場が十分でないこと。
だからこそ、学童保育では子ども達の保育をするだけでなく保護者の方とのつながりから、悩みを聞き少しでも解決することが、子ども達の保育をより良いものにするために必要不可欠だそうです、
どうしても、教育と聞くと学力が先走ってしまい、学力や成績に目がいってしまいます。
しかし、学力向上をする上での基盤となる部分に目を向けることが大切になってきそうです。
自然を生かした児童保育とは?
離島を知らない私がインタビューをする前に離島にすむ子ども達は、夏は毎日海や山で遊び、友達と外で遊ぶことガ大好きな子ども達を想像していました。
しかし、インターネットや家庭用ゲーム機が多く普及してきた今、離島の子ども達は私の想像するような子ども達ではありませんでした。
この学童施設では、子ども達の自然離れを解消するために、長期の休み(夏休みなど)には施設に通う子ども達の行きたい場所につれて行くことを行っているそうです。
が、ここで自然の中に連れて行っても、島の子供たちにとっては何の解決にもならないのだそうです。
「え?何で?」
なぜなら、島の子は普段から海や山などに見慣れてしまっているから。
そうなんだ。羨ましいけど、、、笑
じゃあ、島に無い、子ども達の行きたい場所って?
それが「プール」なんだそうです。
だから、子ども達をプールに連れて行くのだそうです。
でも、プールじゃまだ「子どもの自然離れ」は解消されないのでは?
と思ったんですが、そこにはステップがありました。
はじめは、自然とプールや子ども達の行きたい場所の両方に行くプランを、自然の比率が少なめでスケジュールを組みます。
ただ自然だけに触れるのではなく、人工のものと自然のものとに触れていく中で、子ども達は「自然も楽しい」と認識するようになり、その認識が徐々に変化するにしたがって、比率を自然へとシフトしていくそうです。
なるほどな〜〜〜〜!
「できる・できない」で判断しない。
子育てをする上で、子供によって「できること」と「できないこと」ってありますよね。
しかし、「できないこと」を「ダメなこと」と認識してしまうことは子育てをする上で絶対にしてはいけない認識だそうです。
「できないこと」はその子にとっての「個性」でもあります。
いえ、「できない」は「立派な個性」なんです!
すべてのことをこなすことの出来る子は、誰一人としていません。
だからこそ、「できないこと」をダメと認識し、「できること」「できないこと」でその子を判断することは子育てにとって大きな落とし穴だそうです。
僕なりのまとめ。
今回こうして学校教育に間接的な関わりをもつ学童保育の現場の方にお話をいただき、学校現場を客観視することでより深く教育課題を見つめることができると同時に、新たに発見できた課題もありました。
でもやっぱり、島での学童保育は、自然に恵まれた土地であるからこそ出来る学びを最大限に生かしていると素直に感じました。