インタビュー企画 vol.1 種子島の好きを繋ぐ人

Nozomi ToyaReport離島移住コラム鹿児島-種子島

【取材】種子島の好きな理由 vol.1

日髙和美さん(43歳) 西之表市 安納(あんのう)地区在住 Uターン

―こんにちは。今日はよろしくお願いします! さっそくですが、島に戻ってきたのはいつごろでしたか?

 戻ってきたのは、31歳の頃です。

―それまでは、どちらに住んでいたんですか?

 高校卒業と同時に福岡にしばらく住んでいました。
 美容師の見習いで働きながら美容師の資格を取得してその間、生活スタイルも色々変わり、27歳の頃に思いたって娘を連れ二人で関東へ移住しました。

―思い立ったというのは?

 その当時、美容業界では東京が一番最先端でした。福岡でさえ10年遅れていると言われる時代で、どうしても最先端の技術を学びたいと思ったからです。
 しかし子どもがいたことで東京では、融通のきく職場がなかなか見つからず探した結果、千葉県の海に近い、穏やかな地域に移住しました。福岡の友人からは「福岡よりも田舎じゃない?」と言われました(笑)

―憧れていた関東での暮らし。仕事はどうでしたか?

 学ぶことは多くありました。セミナーなど行けるとこには色々行って本当に朝から晩まで仕事をしているような状況でした。娘も保育園から夜間の託児所に預けていて大変な思いをさせたかなと思います。
 子どもが小学生になり、生活が少し落ち着いたことで改めて最先端の美容を学びたいという思いから「学びってここに居なくてもできるかも。」と考え、31歳の頃に地元である種子島に戻って来ました。

―種子島に戻ってみて、どうでしたか?

 私自身、地元なので特に不便とか何も思いませんでした。しかし娘が最初の頃に「寂しいなぁ」と言ったのは意外でした。ゆっくり親子で過ごせると思っていましたが、保育園からの友達が千葉にいたのでそれが大きいようでしたがすぐに友達が出来たのでホッとしています。現在は進学で福岡に行っていますが、人が多すぎて種子島のほうがいいと話しています(笑)

―仕事については、どのように変わりましたか?

 千葉を出る前に障がい者の施設長と出会いがあって、それが大きな転機になりました。
 この方にお願いされて、障がい者のヘアカットに携わりました。その時に髪を切った本人や施設の方が本当に喜んでくれて、美容師の冥利に尽きるというか・・・本当に嬉しい気持ちになりました。それがきっかけで、福祉に携わり訪問・出張美容(高齢者や障がい者の自宅や施設に出向きヘアカットなどを行うこと)を行いたいと思うようになりました。

 

―お店はいつごろ開設しましたか?

 地元とはいえ、いきなり事業を立ち上げても福祉関係の知り合いはいなかったのが不安で、すぐにお店を持つことはしませんでした。
 最初は福祉事業から冠婚葬祭業など幅広くしている事業所へ美容師として勤務していました。その間に、ケアマネージャーとも仲良くなり、3年後に美容室を開業しました。その時、口コミで開業したことが広がってくれたことは本当に嬉しかったです。私自身、もっとこの事業(訪問・出張美容のこと)を知ってもらいたいので、島内の福祉関係の施設は全て回って営業をかけました。コツコツと進めることで、理解してもらっています。
 現在も訪問・出張美容に力を入れて取り組んでいますが、それだけでは経営が難しいので、最近は癌患者など治療者へ向けたオーダー製のウィッグの無料試着と販売の仲介を行っています。

―現在の住まいは地元である安納地域ですが、ずっと安納で過ごしていたんですか?

 いやいや、安納も実は今年(2020年)の1月から住み始めました。その間は、榕城地域や下西地域を転々としながら暮らしていました。当初は実家暮らしと思いましたが、両親は農業しているため生活スタイルが違いすぎて・・・今、改めて戻ってきたのは、子育てがひと段落して生活に余裕が出来たことで、両親の近くに住むのもいいかな?と思ったのがきっかけでした。

―住み始めてどうですか?

 自分の住む地域なので清掃活動や行事など協力できることは参加しています。昔ながらの考えが多い部落(地域より小さい自治会)でもあるので、こうしたらもっと良いのにと思うこともありますね。
 Uターンした当時は、よく周囲の人から「どうして種子島に戻ってきたの?福岡よりつまらないでしょう?」など話す方が多かったんですが、私にしてみれば無いなら作ればいいのに!という思いが強かったです。それもあって、今私たちに出来る事として【安納おおきにまつり】を計画立てました。

―安納おおきにまつりに至った経緯について、もっと詳しく聞かせてください。

安納に戻ったとき、自分が小さい時より人口は少なくなり、地域の関わりも減ったように感じました。また、安納芋の規格外が廃棄されている現状を両親から聞かされて、ここで何か出来る事はないのか・・・と思い、安納おおきにまつりに至りました。
 安納おおきにまつりの目的は、地域間の交流を増やし、安納の良さを他地域に知ってもらおう!と安納地域でとれた食材の利活用(廃棄を無くそう)ということを考え、行動に移すことで同調してくれる仲間が増えていきました。2019年の12月にイベントを開催することが出来ました。イベントの日は安納芋を使ったトン汁や芋ぜんざいの配布を行いました。その他、野菜や生花の販売、親だけでも楽しめるように託児を行い、ゆっ くり安納を体感できるようなイベントになりました。今でも継続的に活動をしており、7月には、イベントが出来ない代わりに何か出来ないかと、安納の保育所や小学校、地域の高齢者会などにお願いして、願い事を記入した風鈴を展示企画しました。

 田舎だから何も出来ないって思って欲しくなくて、子どもたちにもここで何が出来るのか想像してもらえたら嬉しいです。

 

――他にも活動していることがあると聞きましたが・・・

 「TNR」のことですね。TNRというのは、野良猫に対して【トラップ(捕獲)・ニューター(不妊手術)・リターン(元の場所に帰る)】というワードの頭文字です。猫が増えつつあることで地域の環境が悪くなる事もあり動物好きの私には胸が痛むこともしばしば・・・。TNRは種子島にある複数の猫を守る会の内の一つです。
 ここのモットー【命を大切に。飼い猫を捨てさせないこと。野良猫が地域と共存すること】を聞き、自分にも何か出来ることはないかな?とこの活動に賛同しました。私のしている活動は、「TNR」の周知のための紙芝居作りをしています。近々小学校で読み聞かせできたらと思っています。

 

―いろんな活動にも積極的な日高さん、種子島の好きなところってどんなところですか?

 「私が私らしくいられる場所」かな?変に飾らず私らしくいられるこの場所が好きです。今でも、楽しいことやワクワクすることを考えるのは大好き!これかも地域を盛り上げていくことを考えていきたいです。

インタビュアーよりコメント

 日高さんとの取材でよく出てきた「私に何か出来る事」は、何も無理に大きいことをする必要はなく、自分のペースで進めることで楽しく継続できているように思います。
 10年以上離れていましたが、地域に対する思いは熱く、好きな場所だからこそ地域を盛り上げたいという気持ちが伝わりました。日高さんの活躍、今後も応援していきたいです!

★インタビュー記事で気になったこと、その他話を聞いてみたいことがありましたら「西之表市移住支援情報」内の「いつでもオンライン相談」からお問い合せください。